この記事の結論 PERとは、利益に対して株価が何倍まで買われているかを見る指標です。数字が低いほど割安とされますが、業績悪化や成長期待の低さで安く見えているだけのこともあります。低PERだけで買わず、同業他社や業績・財務もあわせて判断しましょう。
株の勉強を始めると、最初のほうで必ず出てくるのがPERです。でも「PERとは結局なに?」「何倍ならお得なの?」と、つまずく初心者はとても多いです。
この記事では、PERとは何かを初心者向けにわかりやすく解説し、目安や注意点、あわせて見るべき指標まで紹介します。
PERとは何か
PER(ピーイーアール/株価収益率)とは、その会社の利益に対して、株価が何倍まで買われているかを表す指標です。英語の Price Earnings Ratio の略です。
かんたんに言うと、「いまの株価は、その会社が稼ぐ利益の何年分か」を表します。PERが10倍なら利益10年分、30倍なら30年分で株価のもとが取れる、というイメージです。
数字が小さいほど利益のわりに株価が安い(割安)、大きいほど高い(割高)とされます。PERとは、株が割安か割高かを見るための、もっとも基本的な物差しのひとつです。
PERの計算式
PERは、次の式で計算します。
PER(倍)= 株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)
1株あたり利益(EPS)は「純利益 ÷ 発行済み株式数」で求められます。
たとえば株価が1,500円、1株あたり利益が100円なら、PERは15倍。実際には証券会社のアプリや株情報サイトに表示されているので、初心者は自分で計算しなくても確認できます。大事なのは、数字の意味を理解しておくことです。
PERが高い・低いとはどういう意味か
PERが低いということは、利益のわりに株価が安く評価されている状態。割安に見える一方で、「市場から期待されていない」サインのこともあります。
PERが高いということは、利益のわりに株価が高く買われている状態。割高に見える一方で、「将来の成長を期待されている」サインのこともあります。実際、これから大きく伸びると期待される成長株は、PERが高くなりやすい傾向があります。
つまりPERの高い・低いは、「割安・割高」だけでなく「市場の期待の大きさ」も映している、と理解しておくとよいです。
PERの目安は何倍くらい?
「何倍なら買っていいの?」は誰もが気になるところですが、絶対的な正解はありません。
ひとつの目安として、日本株全体の平均PERはおおむね15倍前後で語られることが多いです。これより低ければ割安寄り、高ければ割高寄り、という大まかな見方ができます。
ただし、適正なPERは業種によって大きく変わります。成長期待の高いIT・ハイテク系はPERが高めになりやすく、成熟した安定業種は低めになりやすい。だからPERの目安は、市場平均だけでなく「同業他社と比べてどうか」で見るのが基本です。
PERが低い株が必ず割安とは限らない理由
ここが、初心者がいちばん勘違いしやすいポイントです。PERが低い=お買い得、と単純には言えません。安いには、安いなりの理由があることが多いのです。
業績悪化で低PERに見える場合
今後の業績が悪化しそうだと市場が見ている会社は、利益が下がる前提で株価が安く放置されています。その結果、見かけのPERだけが低く見えていることがあります。
一時的な利益で低く見える場合
土地や株式の売却益など、一時的な要因で利益が大きく出た年は、EPSが膨らんでPERが低く見えます。翌年その利益がなくなれば、PERは一気に上がります。
成長期待が低い場合
市場が「この会社はこれ以上伸びにくい」と見ていると、株価は上がりにくく、PERは低いままになります。低PERでも株価が動かない、いわゆる「万年割安株」になっているケースです。
PERを見るときの注意点
PERを使うときは、次の点に注意しましょう。
- 低PERだけで買わない。安い理由があるかを確認する。
- 同業他社と比較する。業種ごとに適正水準が違う。
- 赤字企業ではPERが使えないことがある。利益がマイナスだとPERは計算できない、または意味をなさない。
- 予想PERと実績PERを区別する。将来の予想利益で計算したPERは、予想が外れると変わる。
PERと一緒に見るべき指標
PERは単体では誤解を生みやすいので、ほかの指標とセットで見ます。
PBR(株価純資産倍率)
資産から見た割安度。PERとあわせて見ると、利益・資産の両面から評価できます。
詳しくは「PBRとは?1倍割れが割安とは限らない理由」へ。(※リンク設定)
ROE(自己資本利益率)
効率よく利益を出せているか。高ROEかつ適正PERなら、質の良い割安株の可能性があります。
詳しくは「ROEとは?高ROE企業を見るときの注意点」へ。(※リンク設定)
売上・利益の成長
PERが高くても、それを上回るスピードで利益が伸びていれば割高とは限りません。業績の伸びとセットで見ます。
自己資本比率
割安でも財務が弱ければリスクは高め。財務の安全性も確認します。
詳しくは「自己資本比率とは?倒産リスクを見る基本」へ。(※リンク設定)
よくある質問(FAQ)
Q. PERは何倍以下なら買いですか? A. 一律の正解はありません。市場平均(おおむね15倍前後)や同業他社と比べて割安か、そして安い理由がないかをあわせて判断します。
Q. PERが高い株は買ってはいけませんか? A. いいえ。成長期待で高くなっている場合もあります。利益の伸びがPERに見合っているかを確認しましょう。
Q. 赤字の会社のPERはどう見ればいいですか? A. 利益がマイナスだとPERは意味をなしません。その場合はPBRや売上、財務など別の指標で判断します。
まとめ
PERとは何かを初心者向けに整理すると、次のとおりです。
- PERは「利益に対して株価が何倍まで買われているか」を見る指標
- 低いほど割安、高いほど割高(=期待が大きい)とされる
- 目安は市場平均(おおむね15倍前後)と同業他社比較で見る
- 低PERだけで買わない。安い理由を確認する
- 赤字企業ではPERが使えないことがある
- PBR・ROE・業績・財務もあわせて見る
PERだけで判断せず、業績・財務・成長性もあわせて確認しましょう。複数の視点から銘柄を確認したいときは、AIで整理してもらうのも一つの方法です。
銘柄分析の全体像は「株の銘柄分析のやり方|初心者が買う前に見るべきポイント」へ。気になる銘柄を複数の指標で確認したい方は、日本株診断アプリ「カブミルAI」の紹介記事もどうぞ。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。PERの目安は業種や市場環境によって変わります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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