不公正ファイナンスとは?
- 上場株式の発行過程及び流通市場における複数の不適切な行為を要素として構成される不公正取引
- 不特定多数の者の権利・財産を毀損させる行為
- 市場や株主・投資者を騙す(欺く)行為
不公正ファイナンスを行う企業の特徴
1.発行会社
不公正ファイナンスを行う企業は、ジャスダックやマザーズなどの新興市場の企業が多く、経営不振に陥って、資金調達の為に第三者割当増資を繰り返しすることで株主構成も変わり、業態も実態の不透明な投資事業へと変化していき上場時の企業とは中身が変わってしまっている企業が多い。(いわゆる箱企業)
2.割当先
割当先の多くは、オフショア金融センターで設立されたSPC(特別目的会社)や国内の投資事業組合を複数関与させて実際の所有者を不透明にしている場合が多い。また、明らかに資金力が乏しい会社が増資を引き受けている場合もある。
3.目的と発行条件
目的としてよく使われるのが「借入金の返済」「研究開発費」「M&Aなど事業再編」などで、不公正ファイナンスを行っている企業のその後の動きを見ると、「投資」や「融資」として別会社に流して結局返済されず特損(特別損失)として計上するケースが多い。
また、借入金の返済など資金がすぐに欲しい場合のファイナンスとして新株予約権の割当は適切とは考えにくく、ファイナンスの目的と手段の合理性が乏しいケースが多い。
4.関係者
不正ファイナンスは企業だけでなく様々な関係者が関与している。
アレンジャー:正体は不明ですが、元金融機関出身者、仕手筋、弁護士、公認会計士など、法律や規制に詳しく実務もサポートし、不公正ファイナンスのスキームを提案するのがアレンジャーと呼ばれる存在です。
監査法人・公認会計士:不公正ファイナンスを行う企業の監査法人は大手では引き受けてくれないため、特定の監査法人や公認会計士に交代するケースが多い。
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